メードリングにて開催された 日本現代美術展 「TARACHINE」 会員が参加した国際展
kunstraum arcade (アカデ画廊) 2005 6月11日~7月9日

ここメードリングはウイーン中心地より電車で30分くらいの距離で、古くは、ヘンデル・シューベルト・ベートーベンなどが避暑 地として夏の住みかとしたところで、広大な「ウイーンの森」の、南の入り口に位置する。 ピアニストYさんの話から始まった今回の展覧会企画は、千葉の我孫子野外美術展が始まりとも言える。 オーストリアでは今年が日本紹介年とかで、同じ時期にグラーツ市では、規模の大きな日本現代美術展が 開催中と聞いた。とにかく市民レベルでの現地制作美術展が、地元のサポート、画廊の努力もあって、立派に開催された。11日のオープニングにはウイーンか ら多くの オーストリア美術家、地元メードリングの愛好家、自治体の文化担当者、政府の文化担当者も参加しての 暖かなセレモニーが行われた。
アカデ画廊はベートーベンハウス(ここの2階にベートーベンが住んでいた)にあり、江上弘の夫 人で ありピアニストのユミコさんが、記念館の当時のピアノ(本物は博物館)で小コンサートをした、その後、 本多真理子さんの作品への一般参加セレモニーがあった。赤い糸を張りめぐらしたインスタレーション作品。 広田美穂さんは、ビデオ上映と外の庭のインスタレーション作品で、両手の閉じた手を「どっち?」と問う、 地元の住人へのパフォーマンスを映像化した作品。池澤孝はシルクスクリーンの版を壁に並べたものや、 お茶菓子を壁にインスタレーションした作品。江上弘は枯れた木に泥を塗って、外にインスタレーション したドナウ川をイメージした作品。木村勝明は宿舎のあった町Perchtoldsdorfに偶然遭遇した聖体祭の 町並みに並んだ枝をいただいての、インスタレーション作品だった。
画廊の企画に参画して、今回の日本人作家を全面的にサポートしてくれたステファンとビリギッテ さんへ 心からの挨拶を送りたい。またワイン畑がたくさんあって、ホイリゲという新ワインを飲ませる多くの居酒屋、 中世の教会など、ウイーン郊外の山すその町に心から感謝し、展覧会の制作のみならず、得難い体験をさせてもらった「自然・歴史と共同体」というようなその 全体へダンケシェーン。そしてアフビーダゼン!と 心から言いたい心境である。
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広田さんの芝生でのインスタレー ション 小さな袋には両手の 「どっち?」というポーズの写真が 貼ってある、 画廊でのビデオ上映と関連する 展示だった。
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制作中の本多さん、 ここは画廊の横の通路で、 ベートーベンハウスのパブリック な場所古い建造物を使って の作品だった。
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ペーチェフスドルフの村の広場 (泊まった村)
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オープニングパーティーを2階から
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べートーベンの部屋(質素な生活だった・当時を復元してある)
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ペーチェフスドルフの教会内部 (聖体祭でシラカバの木がいっぱい立ててあった)
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教会(1400年代の建立・ゴシック様式)の前は松の林で、どこ か東洋を思わせた
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江上さんの枯木のインスタレーション
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ユミコさんのベートベンの部屋での小コンサート (当時と同じピアノだが本物では無い)
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オープニングセレモニーで並ぶ出品者 (向かって右から、江上、木村、池澤、本多、広田)
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壁が池澤さんの作品
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オープニングセレモニーの司会始まる (向かって右から、画廊のヘルガさん、キュレターのクナックさん、 自治体の文化担当者)
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木村のインスタレーション、ペーチェフスドルフの聖体祭に 道沿いに並べられた枝をもらって制作 「ペーチェフスドルフの贈り物」
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