アートフォーラム

「この時代・青年の生活と創造とアンデパンダン展」

3月21日(土) 13:15開場13:30開演/講堂にて終了しました

生きづらいいまの時代、生きるということと、創造することの苦悩と喜びは、

そして、表現し連帯する場所としてのアンデパンダン展は…など語り合いましょう。

ぜひ皆さんの参加を!


21日会場風景
パネラー紹介
浅尾大輔(作家.ジャーナリスト)

2年ほど前から戦前戦中に活動した日本画家たちの絵を見るようになりました。最近では木下孝 則(バラの花と美人画がすごかった)、何度目かの佐伯祐三(これは、師匠、ブラマンクもすごかった)などなど。ここに、現代の画家たちが重なる。例えば、 さびし笑いの絵を描く石田徹也さんとか。しかし、まだ僕の心は、もっと!もっと!と求めています。苦しみと悲しみの渦のなかにいる若者たちに芸術が出来る とこは何か。ともに語り合いたいです。

略歴 1970年愛知県生まれ。新聞記者、労働組合職員をへて雑誌「ロスジェネ」編集長。小説「家畜の朝」で第35回新潮新人賞。

荒川苗穂(アンデパンダン展.青年美術展出品者)

表現したい人に非審査・自由出品というのはすごく大事だと思います。特に芸術っていうのは発 展するのに時間がかかるので、何を目指すにも展示をして発表するという経験が必要だと思います。定期的に発表する場があれば自分の良いところ、悪いところ も見えてきます。 ただ、若者にとってネックなのが出品料です。正直言って「高いな」と思います。私は今年で11回目の出品ですが、何度かお金がなくて「出すの辞めようか な」と考えたこともあります。でもズルズルいってしまいそうな気もしたので出品することにして、現在にいたっています。 ここ数年は社会問題をテーマに制作をしています。自分の表現が全ての人に伝わるとは思っていませんが、少しでも多くの人に伝えていきたいです。いろんな方 から作品に対して意見をもらいますが、あまり流されずに制作していければと思います。

経歴 96年に東洋美術専門学校絵画科入学 98年~06年に銀座、京橋の画廊でグループ展、個展を複数おこなう。アンデパンタン展は今年で11回目です。

竹内大悟(ファッションマルチチュード作家)

アンデパンダン展には、ことによったら美という観念には凡そ括りきれない作品も多々あったよ うにみえた。しかしそこには、新しいものをつくりたい、みたいといういつの時代も変わらない人間らしい欲求が、カタチを帯びて存在していた。幾つもの形が 表現として在り、同時にそれは、じつに様々な表情を帯びていた。おもえば、人間が表情を獲得した時に、世界も表情を帯びたのだ。その表情の影を追って、た だただ作品を眺めていた記憶がある。それは混沌としているが、混沌とした摩擦の中から生まれる力には、なにか明日への突破口があるのではないかという期待 を持たずにはいられない。価値観の違う者が集まって話し合うとき、そういう力が生まればいいとおもう。

経歴 1977年神奈川県に生まれる。大学時代よりファッションを学び、現在、文化ファッション大学院大学に在籍。第80回装苑賞にてイトキン賞を受賞、 09SSよりENCADREURSに参加。3月にはアサヒアートスクエアのサポートによるコンテポラリーダンスユニット「群々」の衣裳を担当。また、島製 機若手デザイナー枠で09-10A/W東京コレクションに参加予定。社会と衣服の関係性に着目した作品作りを行っている。

増山麗奈(美術家・アートライター)
殺すアートよりイカすアートを

ちょっとまて、本当に生きづらいの?生きづらいとか言うのなんか飽きてこない?大きなシステ ムの中で、人がモノのように搾取され、雑多な食物連鎖がわずかなお金と引き換えにむしり取られ、命が殺され、いつの間にか生きる力を誰かに奪われてる。そ んなファッキンな時代だけんども!東京駅にー見PTAの役員みたいな新人女性ホームレス(推定42歳)がアスファルトの上に寝転んでいたのを見たけれど も。そろそろやっとこさ本当に折り返し地点に来たね。来たよ。来たよね。戦後流行った中途半端な技術でほどほどにお下劣な奴はもういいや。麗奈タンのアー トとー緒にもっと芳醇で豊かな愛の世界に行ってみないスか。芸術は人生のチャンネルをぐっと変える。3次元を7次元にする。今こそ、本当に時代を抉りと る、魂を感動させる本物がでてくる。サバイブするしかもそれで喰ってく。悪いかバキャヤロー!そんな感度400パーセントの藝術状況を作りたいし。見た い!

略歴 (画家・反戦アート集団「桃色ゲリラ」代表・超左翼マガジン「ロスジェネ」編集委員) 1976年うまれ 2004年府中市美術館「府中ビエンナーレ」 2008年岡本太郎現代芸術賞入選絵本「幼なじみのバッキー」(月曜社)出版。今年鵜飼邦彦監督による増山麗奈ドキュメンタリー映画「桃色のジャンヌ.ダ ルク」が劇場上映される。

森下泰輔(現代美術家、美術評論家)

1月に板橋区立美術館で「新人画会展-戦時下の画家たち」 を見た。軍部が文化を抑圧し、報国絵画を強制していた時期に、松本竣介、井上長三郎らは、純粋な創作動機を模索していた。物資もなく絵具も配給であった時 代にあってさえ、彼らの作品は予想外の豊潤さを有している。今、世界経済は100年に一度の崩壊を起こし、未曾有の危機に直面している。しかし、表現とは マイナスをプラスに転じる力を持っている。芸術にとっての問題は物質的豊かさではなく、ただひたすら描きたい、表現したいというやむにやまれぬ意志の力だ けなのだ。それこそが尊い。その意味で潮目が変わった現在だからこそ、かえって強度を持った芸術が生まれうると確信している。

略歴 88年、89年と国際展「InfermentaI」(ベルリン、ウィーン、東京巡回)にトニー・アウスラーらと選ばれる。90年代に入り、バーコードを用 いて高度資本主義社会から噴き出す諸問題を概念化した作品を制作、アメリカ、フランス、ポーランド、イタリア、カナダなど国内外で発表。92年 「KusamaImages」(草間彌生とのコラボレーション作品)。第49回ヴェニス、ビエンナーレ関連企画「PoetryBanker」参加。06年 ニューヨークにて個展。08年「月THEMOON」(高台寺・京都)。現在アスベスト禍を訴える環境問題アートを展開中で、昨年の日本アンデパンダン展で も展示。70~80年代に寺山修司「人生万才」編集を担当。美術評論家として、しんぶん「赤旗」に執筆中のほか、第一回月刊ギャラリー美術評論最優秀賞 (択択00年)。

百瀬邦孝(62回展実行委員長・日本画家)

アンデパンダン展には自由な空気の中に時代と真剣に向き合う作家としての緊張感がある。それ は妙な絵づくりの道を嫌った素朴で単刀直入な表現の道だ。それを素人っぽいと言う人もいるが、そこに時代の新しい芽と表現の原点があり、人の生きる原点が あるのだ。それが、日本の文化・美術を底辺から支える幅広い裾野を創り上げているのだろう。表現することはまさに生きることであり、アンデパンダンがさら に幅広く進むべき人間性回復と新しい価値の創造の道があるのだろう。

経歴 1947年生まれ。1976年からアンデパンダン展に出品。地平展・平和美術展に出品。他グル-プ展個展。現在日本美術会会員、美術集団「地平」会員、美 術家平和会議会員。

(コーディネーター)
首藤教之(日本美術会機関誌編集部.研究部)

経歴1960年代から日本アンデパンダン展に出品。それ以前は「火の会」「グループ民美」 「現代芸術の会」など前衛美術運動に加わっていた。近年は主としてインスタレーション作品を制作。

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