アルゼンチン便り NO.3(海外の会員からの通信)

言葉

日本語は母国語ですから自分の言いたいこともいろいろな表現を使って微妙な言い回しが出来ます。アルゼンチンに暮らしてみてスペイン語(ブエノスで はカステジャーノとも言います)ではいろいろ苦労しています。外国旅行をしたり、短期に自分の生活だけを考えて滞在したときは買い物をしたり、住宅を見つ けたり、自分の生活に必要な言葉がわかれば困りませんでした。アルゼンチンはスペイン語圏ですから何とかなると思って赴任しました。

ボランティアとはいえ仕事がらみで滞在してみると言葉の行き違いでいろいろなトラブルが起こります。例えばプロジェクトといえば日本では大きな仕事 をイメージして使いますが、こちらの人たちはちょっとした計画でもプロジェクトという言葉を使います。沖縄県と協力関係を結んで日系の日亜学院の教育を改 革できないだろうかとの話し合いにプロジェクトという言葉が使われますが、どうも話がかみ合わなくて困ったりします。同じ単語を使っていても、私の考える 言葉のイメージとは違うのだと認識するまで時間がかかりました。また、“アメリカ”と言えば日本人はアメリカ合衆国のことを指しますが、こちらの人は北 米、中米、南米をひっくるめてアメリカと言います。 イラクでのアメリカと いう言葉を使って批判をしたりするとこちらの人は変な顔をします。この国の人たちは“ヨーロッパ”という言葉と同じ感覚で“アメリカ”を使います。アメリ カの中のパナマ、アメリカの中のコスタリカと言う感じです。 ESTADOS UNIDOS =アメリカではないのです。

その感覚の違いがあるのだと自分に言い聞かせていないとストレスが倍増します。

また、日本人は 1 を聞いて 10 を知る、想像力を働かせて彼は、彼女はこのようなことを話しているのだと、遠まわしに言われても大体感じることが出来ます??が、はっきりと細かく説明し ないと思いが届きません。私がやりたいことはこうですと図を書いて説明しても自分流の解釈、発想で進められ「何で?・・」そのように考えたの、とぶつかっ たりしますが、全然悪気があってではなく自分の考えが中心で動く人たちだからです。スペイン語を自由に使いこなして、こちらの人に負けない自分流の考えを 押し通すエネルギーが必要です。 こちらには、あと 1 年滞在することになりました。 3 月に帰国した仲間が飲んだビーノティント(赤ワイン)の蓋で作品を作り写真に撮りました。題名は「ストレス」です。ビーノのコルクの蓋の自然の色に染まっ た美しさに惹かれています。

2005.4.1      遠矢 浩子記