アルゼンチン便り NO.7 (海外の会員からの通信)

プリマベーラ(春)

9月21日春分の日まで朝は5℃前後でカイロを背中にしょって通勤していましたが、24日の今日は、裸の人、ノー スリーブの人が散歩していて、花屋の店先も色とりどりの花が良い匂いを放っています。日本にも春は名のみの風の寒さやと歌にありますが、アルゼンチンは春 に突然変わります。冬即暑い春、余韻などの感覚を持つ暇はありません。ポルテーニョ(ブエノス在住人)たちは、公園で日光浴をしていました。太陽が出てい ると、外へ出て老いも、若きも、犬も、赤ちゃんも楽しんでいます。私も近くの広場に行って、大道芸人の炎と話芸を見て、タロット占いをしている人の顔を観 察し、フェリアと呼ばれる屋台の店を見て廻りました。このフェリアはほとんど手作りのものが売られ、これで生計を立てているのだそうです。


このトラックに荷物を積んで
地方から土、日曜にやってくる

手作りテーブルの店
 

上の写真のトラックは色が青紫に塗ってあり、そばに立っている年配の男の人は番をしているらしく、椅子を出して昼寝をして いることが多いです。古さといい、色といい、周りにごちゃごちゃと物が置いてあり想像力を掻き立てられるトラックです。

手作りテーブルの店はほかに木の分厚い大きな食器も売っています。温かみがあって好きな家具ですが重いので私には 取り扱えません。

アルゼンチンといえば、音楽はタンゴとフォルクローレが有名ですが、飲み物ではマテ茶が有名です。勤務先ではマテ 茶当番が決まっているほどです。


マテ容器とボンビージャの店

画家?の店
 
 

マテ容器を売っているお店も数軒出ています。マテ茶は日本人が日本茶を飲んで落ち着くようにアルゼンチンでは欠 かせない飲み物です。マテと呼ばれる容器にマテの乾燥した葉を入れてお湯を注ぎ、ボンビージャで(金属製のストローと思えばよい)飲みます。ボンビージャ は先に数個の穴が開いていますから、茶漉しをされ、マテ茶だけを飲むことが出来るのです。最初抵抗があったのは、前に飲んだ人がお湯を注ぎ、廻してきま す。一つのボンビージャで廻し飲みをすることでした。これが友人である証のようなことでもあるらしく、飲むと喜んでくれます。最近は慣れて、暑いから、寒 いから、疲れたから、イライラするからと言っては飲んでいます。アルゼンチンの人は甘いものが大好きですから、砂糖、蜂蜜、ドゥルセ デ レーチェなどを 入れて飲む人もいます。マテ茶の入れ方もあって、マテの葉を入れたら、容器を手のひらの上で逆さにし、手のひらにつく小さな粉を取り除き、ボンビージャを 入れてボンビージャに沿ってお湯を注ぎ、最初の一吸いはペッと吐くと苦くないと教えてくれました。勿論お湯も沸騰したお湯はだめで、少し冷ましてから専用 のポットに入れて使います。ボンビージャで容器の中の葉をかき混ぜては駄目とも言われました。容器も、ボンビージャもいろいろな形があってそれを見て回る のも楽しいものです。マテ・コシードといって、ティーパックになっているのもありますが、味が全然違います。これを飲むから野菜を食べなくても大丈夫と言 う人もいます。

小鳥が歌い、木々の芽吹きも一斉に始まり、青い空を見ながら私も♪なごり~雪も~♪と鼻歌を歌いながらお店を冷 やかし、針金で作った昆虫(4本の足で楽器を弾いている、約15センチ位)と、手作りの小さなこまを6個買って帰りました。春は良いですね。

2005年9月25日  遠矢 浩子記